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ふらっと特許~AI搭載内視鏡画像診断支援ソフトウェア~

またまたご無沙汰しておりました。

私事ですが、つい先日37歳の誕生日を迎えました。
昨年はアキレス腱の断裂というなんともお粗末な出来事もあり、年齢を感じるとともに体に気を付けないとな…と思いながらニュースを読んでいると2月25日に発表されたAIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェアの発売というニュースが目に止まりました。

 

オリンパスのニュースリリースによると、ソフトウェアは「EndoBRAIN」と名称で、内視鏡分野のAI技術では国内初の薬事承認取得のようです。
●主な特長
①約60,000枚の内視鏡画像を学習させたAIによって撮影された大腸内視鏡画像を解析し、数値化された診断結果を表示することで、専門医に匹敵する診断精度を実現する。
②内視鏡検査における観察モードを狭帯域光観察(Narrow Band Imaging=NBI)と染色観察の2種類を搭載した。
以上の2点が特長として挙げられています。
https://www.olympus.co.jp/news/2019/contents/nr01157/nr01157_00002.pdf

研究開発は昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学大学院、サイバネットシステム株式会社によるものと掲載されていますので、特長の部分について特許を調べてみました。

 

 

特許第6059271号
【発明の名称】画像処理装置及び画像処理方法
【特許権者】サイバネットシステム株式会社、学校法人昭和大学

【請求項5】
画像処理装置が、内視鏡を介して光を照射した消化管の粘膜の細胞を拡大撮像して得られた内視鏡画像に含まれる細胞核を抽出し、抽出したすべての細胞核について、細胞核の特徴を計測する手順と、
画像処理装置が、前記内視鏡画像の全体の濃淡について、テクスチャ解析を行う手順と、
画像処理装置が、前記細胞核の特徴及び前記テクスチャ解析の結果を用いて、非腫瘍、腺腫、癌及びSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)のいずれであるのかの識別を行い、非腫瘍、腺腫、癌及びSSA/Pのうちのいずれかを診断結果として出力する手順と、
を行う画像処理方法。
【請求項8】
前記内視鏡画像は、染色された細胞を拡大撮像して得られた画像である、
請求項5から7のいずれかに記載の画像処理方法。

 

権利範囲では、上記の部分が最も関連すると思います。

 

登録前の公開段階では「病理診断に対応した分類を行う」と広い権利範囲を主張していた部分を「非腫瘍、腺腫、癌及びSSA/Pのうちのいずれかであるかの識別」する範囲を限定したことで進歩性が認められて登録になっていると思われます。

 

報道にある「AI(人工知能)」の文言は記載されていませんが、実施例中の具体的な診断方法として、病理診断に対応した分類(非腫瘍、腺腫、癌及びSSA/P)のそれぞれについて、学習用サンプルとなるデータを画像処理装置に与え、解析された内視鏡画像の状態を診断する方法が記載されています。

 

発明の効果でも、「専門的な知識と経験を有する者でなくとも、非腫瘍、腺腫、癌及びSSA/Pのうちのいずれであるのかを判断可能にすることができる。また、腺腫・癌の診断についても既存の診断支援システムに比べ高い精度で診断が可能となる。」となっており、昨日のニュースの内容に最も近い特許公報ではないかと思われます。

 

ご興味がある方は是非特許公報も読んでみてください。

 

 

体に気を付けつつもなってしまった場合に頼るのは医療ですので、このような発明から多くの早期発見に繋がっていくといいと思います。

 

弊社HP

http://www.plug-in-solutions.com/

 

出来るだけ更新致しますので、またお付き合いいただけると嬉しいです。

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カテゴリー: 特許, 特許情報

ふらっと特許〜秋の醍醐味〜

ご無沙汰しております。

あれやこれやと仕事に追われているいるうちに秋もほぼ終わりかけ…
早いものです。

もうすぐ冬ですが、個人的に一年で一番好きな季節は秋です。
そんなわけで秋にちなんだ(?)特許を紹介したいと思います。

皆さんは秋と言えば何を思い浮かべますか?
紅葉。
読書。
食欲。
夜長。

う〜ん、いい季節ですね。

そんな中でも、食欲の秋が一番しっくりきます。笑

秋の食べ物といえば?

秋刀魚。
栗。
松茸。
銀杏。
柿。

美味しいものだらけです。

さらに、そろそろ牡蠣の季節…

特許に関係なさそうですが、実はこられの中で関連し合った特許が登録になりました。

それは、牡蠣のために柿を使用した特許です。
冗談ではないです(笑)

WO2008/153077(特許第5092145号未発行)

この特許は、柿の搾汁または抽出液を加熱やアルコール処理することで、抗ノロウイルス組成物ができるというものです。
この組成物によるノロウイルスの消毒や感染予防を効果と挙げています。

牡蠣が大好きな人には朗報かもしれません。
柿から作られた予防薬によって大好きな生牡蠣を何の心配もなく好きなだけ頬張れます。

ちなみに私は生牡蠣が苦手です…
タルタルソースがたっぷりのカキフライは大好きですが(笑)

地道な研究開発の先に、身近な物からも新たなアイデアが出てくる特許というのは面白いです。

今回はこんな感じで。

出来るだけ時間を見つけて更新するようにしますので、お付き合いよろしくお願いいたします!

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ふらっと有用特許情報~窒素と臭い~

植物の生育には窒素が重要な役割を持っています。
その窒素は、空気中に80%近く含まれています。
1haあたりでは、75,000,000 kg…とてつもない量ですね。

しかし、植物は空気中にある窒素を取り込むことはできません。
植物は土壌中から取り込んでいます。
そのため窒素肥料は、古くから研究されてきました。

日本では14世紀頃の記録にも残っている糞尿を肥料としてきた歴史があります。
臭いがねぇって話ですね…
それでも人は、人のものだけでなく、牛、豚、鶏など糞尿を堆肥化して利用してきました。

そこで今回は、この中でも豚の糞尿を利用した堆肥に関する特許を紹介したいと思います。

特許4349306
発明の名称:脱臭装置、及び脱臭システム
特許権者:岐阜県

やっぱりね。って感じの名称ですね。
システム自体は特に難しくはありません。
アンモニアガス等の臭気物質を取り込んでバブル状にして硫酸の中を通して脱臭します。
アンモニウムガス等を硫酸に通すことで中和反応が発生して硫酸アンモニウムが生成されます。
この硫酸アンモニウムを堆肥に加えることで肥料へ窒素成分として加えることができます。
豚の糞から作られる堆肥は、肥料成分が多く含まれていて肥料価値は高いのだそうですが、リン酸・加里に比べて窒素成分が低いです。
そのため、この脱臭装置によって生成された硫酸アンモニウムを加えることでバランスがよく肥料価値を高めることができます。

さらに、これまで発酵装置で作られてきた豚糞堆肥は、粒状で散布方法が限定されていました。
その解決にも一役買っています。
硫酸アンモニウムの溶液を堆肥に戻して成形化することでペレット化して肥料の使用方法としても幅を広げています。

近隣への臭いを抑え、そのままの堆肥よりの肥料価値の高い堆肥を原料を増やすことなく作り出せる技術です。

この脱臭装置は、その他の分野への利用も考えられています。
例えば、製紙業の汚染処理の栄養剤として窒素成分やリン成分が望まれているので、硫酸をリン酸に変えて脱臭処理を行いリン酸アンモニウムを回収し、これを硫酸アンモニウムと混ぜることで製紙汚水処理用栄養剤を得るという研究も行われています。

国内でも複数の県で実用化されていますが、さらなる研究によって利用される状況が増えるかもしれません。

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ふらっと有用特許情報

少し暖かくなり始めました。
うれしいことですが、花粉の季節がやってきます。
花粉症の人にとっては、全くうれしくないかもしれません…
花粉の原因の一つが「杉」です。
日本には、北は秋田杉、南は屋久杉と広い範囲に分布しています。
今回は、そんな杉を有効利用する特許を紹介します。

特許3697468
発明の名称:樹皮と網からなる油吸着剤
特許権者:大分県

この技術は、樹皮を使用して海洋などに流出してしまった油を取り除こうとするものです。
タンカーの事故や去年の津波によって重油などが海に流出していました。
この技術は、そのような現場において威力を発揮するようです。

ん?って感じですね。

杉の外樹皮にはリグニンという水をはじいて油となじむ成分が52%ほど含まれていて、樹種の中でもかなり多い含有量だそうです。
さらに、杉は日本各地に多く産地があり、杉の皮は日本全国で年間50万m3も出ていて、焼却処理が難しくなるほどの量です。
つまり、杉の樹皮の処分と海や川の汚染を綺麗にするという一石二鳥の技術と言えます。

ただし、油分を吸着した後に焼却処理をしてしまっては、CO2の排出の減少はすれど、まだ完璧とはいえません。
そこで、油分を含んだ処理についても研究が行われています。
杉樹皮製油吸着材の生分解性の特徴を活かし、土壌微生物に分解させて肥料にしてしまします。
このような処分方法を取ることでCO2の排出量も減少させ、土に返す考え方を取っています。
くわしくは、「杉樹皮製油吸着剤および微生物分解処理技術の実用化について」を読んでみてください。

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免震装置の弱点とその対策(ちょっと休憩)

今回は少し筆休め的に。

免震技術は、地震には有効ですが、風による水平方向の揺れには弱いとされてきました。

ここで挙げる免震構造の支承部分は、滑ったり転がったりする部材によって上部の建築物を支え、地震時には揺れの伝達を抑制しています。

しかし、強い風が吹くと風の力によって支承部材が動き、建築物が揺れてしまうということが起こっていました。

そこで風による振動を軽減するための部材を開発し、地震による振動か風による振動かによって免震装置の働きを制御する技術があります。

以下のサイトにわかりやすい図が載っているので、添付しておきます。

http://www.miyawaki-c.com/shiyou/menshin/sadou

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